ハヤシのブログ

物語創作、ピアノ・ショパン、漫画、クロノトリガー、社会問題などについて語ります。

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なぜハヤシの漫画の原稿が採用されたのか、を自分なりに考えてみた。

後のほうは「芸術家タイプ」の漫画家について、前のほうのコメント欄に書いたことへの追記分、「芸術家ショパンについて」のおまけ記事もあり。
さてさて
「ハヤシさんは絵が下手なのに、なぜ採用されたんだ?」と思う人も多かろう^^;

もちろん、採用されたのは、編集者が「面白い」と思ってくれたから、とは思うが、「面白い」は個人的な主観で決まってしまうし、ある人にとっては「面白くない」だろう。

編集者が「面白い」と思っても、編集長は「面白くない」と思うかもしれない。
そうなると「編集長を説得しないと通らない」わけであるが、説得しやすい要素があれば、通りやすくなる。

それを考えてみると・・・

うん、やっぱり、編集者は「初めて」「めずらしさ」に弱いかもしれん^^;

少年サンデーの「音吉君のピアノ物語」・・・少年漫画では「ピアノもの」はめずらしく、本格的な「ピアノ漫画」は初めて、であったと思う。

その前に描かれたピアノを扱った少年漫画は、私が知っている限りでは・・・少年ジャンプでの読みきり作品(受賞作)で樹崎聖氏の「ff」と、山田貴敏氏のタイトルは忘れたが、ピアニストの青年が主人公のマンガがあった。(山田貴敏氏の作品のほうは、ピアニストが主人公だったけど、ピアノのマンガという感じではなかった)

しかも、「音吉」という「体育会系のゴツイ男」が、ピアノものマンガの主人公というのは、初めてだっただろう。
体育会系のゴツイ男というキャラは、めずらしくないけれど、クラシック音楽でピアノを弾くという要素がつけば、「それは新しい、初めてだ」ということになる。

んで、私が「ピアノ」をある程度知っていた、というのも大きいだろう。

少女漫画にもピアノものはあったけど、「恋愛要素」も強く、ややもすると恋愛に重点がおかれ、ピアノはおまけ、みたいな感じだったと思う。
けど、「いつもポケットにショパン」はピアノものとしてちゃんと描かれていたと思う。>おもしろかったよねー♪


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スーパージャンプの「御令嬢金崎麗子」では、
ケチな御令嬢が主人公ということで、最初は「おケチ道マンガ」というコンセプトであった。

「ケチ道マンガ」は、目新しく、初めてだったかもしれない。

が、さらに、その中で読者の反応がよかった「おごられバトル」に重点を置くようになった。
「そんなバトルは初めてだ、新しい」ということで、連載が続いたのだろう。
「節約ケチマンガ」ではなく、「いかに得をするかというバトルマンガ」になってしまった。
バトルなくして盛り上がらん、というわけで・・・さすがジャンプ系雑誌である。

「飲食店で、伝票をいかにして相手に押し付けて、相手におごらせるか」という「おごられバトル」・・・自分でもよく思いついたと思う・・・ま、1話1話勝負を完結させながら、延々とこれを描かなくてはいけない、というのは、さすがにきつかったが・・・



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PTNAの「ショパン物語」

ショパンのキャラをギャグ調に描いたマンガは初めてだろう。
で、これほど詳しくショパンの人生を描いたマンガも初めてだと思う。

前にも同じコトを書いたが・・・
(「構成・ショパン物語について」参照http://hakkusyunn.blog76.fc2.com/blog-entry-146.html)

最初、「1ページという枠は短すぎる・・・」とも思ったけど、今思えば、これが幸いした。

たったの180ページなのに、いや1ページで180回分だから、ショパンの人生を詳しく描くことができたのだろう。
たとえば、20ページを6回分だったりしたら、ショパンの人生の一部分しか描けなかっただろう。

1ページごとに、前の場面とは関係ない次の場面へ進めるので、作曲家になってからのショパンの人生(遺された手紙など、ショパン研究者たちによって明かされた部分ということになるが)の、ほとんどの場面を描くことができたのだと思う。

「ショパン物語」は、ショパン関連本を読み、それをマンガに翻訳したという感じ。
ショパンについての知識は、ショパンマンガを描く前から、少しはあったので、こういった本を読んで調べるのも苦にはならなかった。

「ショパン物語」を描くきっかけについては、前にも書いたので、興味ある方はどうぞ
http://hakkusyunn.blog76.fc2.com/blog-entry-109.html




編集者は「目新しい、初めて」に加え、「専門性」というのも好きかもしれない。
それは「売り」になるし、編集者も自分が資料を集めたり、取材したり、調べなくて済むので、ラクができる^^;

自分の場合は、「売り」は、ピアノであった、
ピアノを知っている人たちを対象にした場合、そういったピアノ関係者の中では、自分はショパンに多少詳しかったので、「ショパンが自分の売り」であった。

ちなみに、自分は「ケチ」なので、「御令嬢金崎麗子」のようなケチ道マンガもできたのだろう。
しかし「おごられること」は少ないし、もちろん他人におごらせようという気もない。割り勘が一番である。気遣いしないですむし。


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自分のマンガ力の分析


自分は、絵は下手だけど、構成とコマ割は、おそらく得意なほうだと思う。
相手の注文通りのページ・枚数で物語を収めることは、自分にとってパズル感覚である。

物語の、どこを削り、どこを中心にもってきて目立たせて見せるか、それを限られたページ・枚数に収める、というのは、数こなせば割とできるようになる。

まあ、絵も描けば描いただけ上達するものであるが・・・上達速度が、自分の場合は遅かった。けど、決して上達したなかったわけではなかったと思う。

演出というものも、少し分かってきた。

センスは全くなし。
タイトルをみても分かるとおり、またはキャラの名前もそう・・・

ま、タイトルは、内容を分かりやすく表すほうがいいだろう、というわけで

「音吉君のピアノ物語」「ショパン物語」、そしてHPのタイトルは「マンガとピアノの道」・・・まあ、ダサいというか、センスのかけらもなし。
「御令嬢金崎麗子」も、主人公の名前を表しただけ。どうせなら、「ケチ道を行く」にでも、すればよかった。

「○○物語」「○○道」と、ありふれた、しかもダサいタイトルをついつい付けてしまう。タイトルを考えるのが面倒だ、というのもあるけれど、センスなし、というのが一番大きい。


初めて、自分としては読みきりのつもりで描いた「音吉君のピアノ物語」も原稿は上がったけど、タイトルは決まってなかった。たしか持ち込みにいったときも、まだタイトルだけ決まってなかった・・・でも、タイトルがないわけにいかないので、もう適当につけてしまった。


そうそう、キャラの名前もとりあえず的につけてしまう。で、そのまま、その名前になってしまう。

「音吉君のピアノ物語」は、音吉、音太郎、鳴子、奏一、音子、弾奏鳴、葉山(ヤマハをひっくり返した)・・・とまあ、ふざけた名前のキャラが出てくる。

絵も名前もタイトルも、センスなさすぎ・・・である。


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というわけで、客観的に、自信過剰にならず、かといって卑下せずに、今現在の自分の「マンガ力」を分析すると・・・


センスは、下  (デビュー時も今も下である)

画力は、中の下 (デビュー時は、下・・・上手さのほか、作業効率、描くスピードも入る)

演出は並   (デビュー時は、下・・・というか「演出」について、よくわかっていなかった)

キャラつくり、物語構成は中の上 (デビュー時もこれだけはレベルに達していたと思う)

というところか・・・


んで、連載マンガとして自分が採用された作品は「目新しい、初めて」「専門性」という要素があったりする。
だから、このようなハヤシの「マンガ力」でも採用してくれたのだろうと思う。




ところで・・・よく言われる、芸術家タイプと職人タイプ・・・

自分は・・・職人タイプに近いかな。
注文されれば、「はいはい」と言うことを聞く。なので注文者とはケンカもしたことない。

で、前の方の日記のコメント欄にも書いたけど・・・こちらにも記しておこう^^;


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「芸術家タイプ」の漫画家について

>まず、コメントコピペ↓


「ガッシュ」の雷句氏は芸術家タイプと勝手に想像してます。

注文をきちんとこなす職人タイプのほうが、注文を出す側の編集者にとっては、やりやすいかもしれませんね。

芸術家タイプは、とことん追い求めるし、こだわりも強く、自己主張も強いので、編集者とぶつかりやすいのかもしれません。
自分にも他人にも妥協は許さず、高いものを要求するので、編集者によっては、ついていけない人も出てくるのかも・・・

もちろん、アシスタントにも高い要求をするので、ついていけないアシスタントも出てくるでしょう。

妥協を許さないので、自身の精神も追い詰められてしまい、トラブルも多いのかも・・・

芸術家タイプとつきあえる編集者は、なかなかいないのかもしれません。

漫画家の中には芸術家タイプもいるのは当たり前ですが、編集部企画主導型のマンガ雑誌では、芸術家タイプの漫画家は少なくなっているかもしれません。

よって、芸術家タイプの漫画家と付き合う術をもたない編集者も多くなり、たまにこういった芸術家タイプとトラブルになったりするのかも、と思ってます。


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追記「芸術家タイプの漫画家と編集者」


クライアントでもある編集者の注文をきちんとこなす職人タイプももちろん必要だけど、
やっぱり芸術家タイプがいないと、マンガ界はさびしくなるんじゃないだろうか・・・

が、編集部企画主導型にありつつある今は、職人タイプでないと、編集者も使いたがらないのかもしれない。

なので職人タイプのほうが採用されやすい、というか、長続きしやすいのかも・・・

と思いつつ、芸術家タイプも、マンガ界にとっては必要なんじゃないか、と思ってしまう。
>いや、今、あまりマンガを読んでない自分が言えたことではないのだけど・・・


というわけで、
とくに「芸術家タイプ」は、納得できない「連載引き伸ばし」はしたくないだろう。作品として終わるべきところで終わらせたいのに、無理に「長引かせる」のは絶対に嫌だろうと思う。

「連載を長引かせるよう」に、上(編集長)から言われた担当編集者は、そのように仕向けるが、
漫画家が「終わりにしたい」といっているストーリーに、いいアイディアがそうそう出せるはずもなく、結局、無理やりな感じになってしまうだろう。

漫画家は当然、納得しない。

担当は、いつまで考えても、いいアイディアなど浮かばないので、煮詰まってしまい、打ち合わせをこれ以上しても仕方ないので、ほどほどのところで終えてしまうだろう。

なのに「それでも描け」ということでは、作品にこだわりをもつ漫画家とはトラブルになってしまうだろう。

漫画家から見れば
「担当は作品のことを分かっていない。適当だ。真面目に仕事をしてない」と思ってしまうかもしれない。

しかも担当が○人目だったりすれば・・・
多くの編集者の手を経て、まわってきた作品であり・・・

担当を引き継いだだけの編集者は作品に思い入れもあまり持てず、漫画家のように作品に愛を注げない、という場合もかなりあるだろう。

長期にわたって連載され、本当は終わりに近づいている作品に、担当編集者も「これから、新しい展開を」という気に心からなれず、テンションが下がっていることもあるだろう。

そう、担当だって「本当はもうここで終わりにしたほうがいい作品」と思っているかもしれない。
でも、上(編集長)から「長引かせるよう」に言われているので、「新しい展開を考えて、描いてほしい」としかいえない。

漫画家から見れば、テンションが下がっている担当は「不真面目だ、無責任だ、やる気がないんじゃないか」と思ってしまうかもしれない。

で、その上、時間的猶予のない週刊連載だったとしたら・・・漫画家が精神的に追い詰められるのは当然だろう、と思う。


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おまけの語り♪


芸術家・・・といえば、ま、自分がネタにできるのは「ショパン」のことだが・・・

ショパンは、1小節の直しを、1ヶ月悩み、消しては書き、書いては消し、というのを繰り返していたという。
曲作りに関して完ぺき主義者。妥協はしない、とにかく推敲を重ねていたという。

イライラのあまり、ペンを折ったこともあるらしい。
>壁を殴って、穴をあけた・・・ことはない。ショパンは非力なので、せいぜいペンを折ることくらいしかできないのだ。


けど、1小節の直しを1ヶ月かけられた、ということは、時間をたっぷりかけて作曲できた、ともいえる。時間的余裕はかなりあった。

芸術家とは、ほんとうは時間に追いかけられないで、納得いくまで、たっぷりと作品に手をかけたいものなのだろう。


完璧主義者のショパンは、死の直前、
まだ出版されていない=推敲しきれていない曲、自分が納得してない曲を、「世に出さないでほしい。今まで書いた未出版の楽譜はすべて焼いて欲しい」と遺言した。

が、ショパンの遺言通りにはならず、ショパンの死後、残された楽譜は出版されてしまった。(これを死後出版という。ショパンの死後出版された曲=遺作は、けっこうある)

ショパンの意に反した形で、曲は残ってしまったけど・・・たとえば、その曲は、有名な幻想即興曲であったり、「戦場のピアニスト」で有名になったノクターンだったりする。

けど、ショパンにとっては「燃やしてほしい、残さないでほしかった曲」なのである。



・・・ま、それが芸術家というやつなのかもしれない。


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追記

ショパンの死後出版については、ショパンの遺族(ワルシャワの家族)の了解があって(というか、むしろ希望した)、出版されたようです。

ショパンのような歴史に残る有名人?は手紙などプライベートなことも研究者の手で明かされ・・・
超有名人は、本人の思いと関係なく、残された作品はもちろん、本人にまつわることが世に出てしまうものなのかもしれませんね。



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ハヤシ

Author:ハヤシ
2003年から8年間、ピティナ(全日本ピアノ指導者協会)のサイトで、マンガ「ショパン物語」を連載してました。

商業誌でマンガ連載経験あり。

主な作品 
「音吉君のピアノ物語」(小学館・少年サンデー) 
「ご令嬢金崎麗子」(集英社・スーパージャンプ) 
「スカイプレイ」(秋田書店・ヤングチャンピオン)
ほか読み切り多数。

ちなみに「音吉君のピアノ物語」(全6巻)が欲しい方はこちらへどうぞ↓
小学館コミックス「音吉君のピアノ物語」オンデマンドのページ

書き下ろしピアノ漫画「ピアニスト」(彩図社)は現在、中古本としてアマゾンなどで流通。

このブログでは、ピアノ、ショパンネタ、マンガ・物語創作、作品感想、社会ネタ考察記事を書いてます。
RPG「クロノトリガー」に、はまったので、「クロノ関連ネタ」もあります。

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○ハヤシの過去のHP(凍結)

クロノ曲ピアノアレンジ、イラスト、二次創作物語、クロノ関連雑記などを保管したHP↓
「クロノトリガーとドラゴンクエスト」

マンガやピアノなどについての過去の雑記があるHP↓
「マンガとピアノの道」

ハヤシのピアノ演奏録音↓
「クロノ曲」ピアノアレンジ
「ショパン」の曲


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