ハヤシのブログ

物語創作、ピアノ・ショパン、漫画、クロノトリガー、社会問題などについて語ります。

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クロノの終身刑が決まり、当然、納得のいかないマールであった。
そして、マールはクロノと面会することを禁じられた。

マールは王に口をきかなくなった。

そこへ大臣ヤクラが王に進言する。
「あの男が生きている限り、姫はあのままですぞ。姫はあの男に操られているのです。姫のためにも、国のためにも良くない事です。あの男を王の命令で死刑にしてはどうでしょう。男がいなくなれば姫もあきらめます。そしていつかは姫も王の気持ちを分かってくれるはずです」

そして、王は、大臣ヤクラをすっかり信用しきっており、大臣ヤクラの言う通りにしてしまうのであった。
王直々の命令でクロノは人知れず処刑されることとなった。

大臣ヤクラはほくそ笑んだ。
これで、王と姫の亀裂は絶対的になる、修復不可能だ。姫は王を恨む。
そして姫は傷つくだろう。自分のせいで、無実の青年が殺されるのだから。

王は、裁判で「終身刑」になった青年を、自分勝手に判決を変え、「死刑」にし・・・後で、その青年は無実だったと民が知ったら・・・民は王に対して不信を抱くだろう。
こうして、いろいろ仕掛けていけば、国民を煽動するのもたやすい事だ。姫からも民からも王は見放され、王の権威は失墜するだろう。
そのとき、この私がガルディア王国を仕切るのだ。

これこそが、ヤクラの思惑であった。


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こうして、クロノの処刑が人知れず行われることなった。
死刑執行人と牢屋の番人には王からの命令ということで、少数知ることとなる。
が、中には、疑問をもつ者もいた。

「姫はこのことを知っているのか・・・公に出た判決を、いくら王だからといって密かに変えるのは、おかしいのではないか・・・」

そして、内々に、マールに「クロノ処刑」の話が伝わることとなる。

「大変だわ・・・クロノを助けなきゃ」
一刻の猶予もならないと、マールは、服を着替え、愛用のボーガンをもち、旅の用意をした。そして、預かっているクロノの木刀も携えた。

クロノも脱獄を考えていた。
無実の罪でこんなところで一生過ごすのは嫌であった。

そこへ、番人と死刑執行人がクロノの牢屋を開けた。
「・・・出られるのか?」
「ああ・・・でも、すぐに地獄行きだ。お前は死刑になるのだ」
「え?」
「そのペットは邪魔だな」と番人は、クロノにまとわりついているプチを引き離そうとした。
と、その時、プチがあの口らしきものを開けると同時に番人と執行人は吹き飛んだ。
番人と執行人は気絶していた。

「?・・・もしかして、プチ、お前がやったのか・・・すごいな」

さっそく脱走開始である。

と、その前に・・・この間、牢屋の中でした、ルッカの欲しがっているプチのフンをもっていくのを忘れなかった。もう、これは習性である。
「ああ、こんなときにも・・・つくづくオレはルッカに操られているよなー」と、ぼやいた。

クロノの前に立ちはだかる番人たちは、すべてプチが吹き飛ばしてくれた。

そこへ「クロノーーー」と騒ぎを聞きつけ、マールが走ってきた。
「ここを出ましょう」と、クロノの手錠をはずし、木刀を渡した。

お城の造りを知り尽くしているマールの手引きにより、お城の外へクロノは向かった。

しかし、あと一歩というところで、「逃がさぬ」と、大臣ヤクラの操る「ドラゴン戦車」が行く手を阻んだ。

ドラゴン戦車は、姫マールがいるのに、容赦なく、攻撃をしてきた。

マールはボーガンで、ドラゴン戦車の前輪を狙った。複数放たれた矢はすべてドラゴン戦車の前輪に命中し、ドラゴン戦車の動きが鈍る。
そこへ、クロノが、ドラゴン戦車に飛び掛り、火を噴くドラゴン戦車の口を木刀をつっこんで塞ぎ、すばやく戦車から離れ、ドラゴン戦車の頭を暴発させた。
さらにプチが、ドラゴン戦車を吹き飛ばす。先ほど、番人たちを吹き飛ばした威力とは桁違いであった。

「・・・お前、ほんとうにすごいんだな」クロノはプチをみやった・・・可愛いだけじゃなかったんだな。
可愛いだけじゃないのは、そこのお姫様も同じのようだけど、と改めて、マールの実力を認めるクロノであった。

ヤクラは動かなくなったドラゴン戦車から脱出し、逃げてしまった。

あとは、もう敵なしであった。
クロノたちは城の外へ抜け、脱走に成功した。

しばらく走り、だいぶ城から離れた頃、クロノは走りを止め、後からついてくるマールに話しかけた。
「マール、お城を飛び出してきていいのか?オレはずっと逃亡生活になる・・・だから、ここで・・・」
「約束はどうなるの?」
「約束?」
「一緒に冒険に連れて行ってくれるっていう約束よ。もう、旅の用意までしてきちゃったんだから」
「・・・・」
「とにかく、ルッカとガッシュおじいさんのところへ行くわよ」

ーーーーーーーーーーーーーーー

その頃、ガッシュの家では、タイムマシン「時の翼シルバード」が完成していた。

ルッカは、クロノが終身刑にされたと知ったとき、クロノを脱獄させ、シルバードを使って逃げることを考えていた。
そう、脱獄させて逃げても、きっといつかは捕まるかもしれない、怯えながら逃げる生活が続く・・・けど、時空を越えれば、100パーセント逃げ切れる。

ガッシュも、賛成であった。一生、孤独に牢屋の中で生きていくなんて、死刑よりもある意味、厳しいだろう・・・無実の青年を、一部の者たちの独断で終身刑にするこの国の行く末も案じていた。そして、はるか昔の自分がいたジール王国を思い出していた。

女王ジールも、独裁的で、誰の意見にも耳をかさず、気に入らない者を粛清していった。
ジールは己の欲望を暴発させていった。
しかし、そのジールの欲望のおかげで、自分は思う存分、時間研究ができたのだ。ジールは、時間研究のためなら惜しみなく援助をし、研究を進めることを最優してくれた。

「ワシも研究したいという欲望に走ったのだ・・・ジール様のことは言えない・・・」

そして、ジール様は孤独だったのかもしれない・・・
皆は、ジール様を恐れ、敬遠していた。
ジール様には頼れる者も信用できる者もいなかったのだろう・・・

ガッシュは思いをめぐらせる。

孤独の辛さは、この時代に飛ばされたときに、しみじみ堪えた。
が、今のワシにはルッカとクロノがいる。彼らがワシの信じられる頼れる仲間だ。
だから、今、ワシの命といっていい「時の翼」を彼らに託したい。

ーーーーーーーーーーーーーーー

ガッシュの家に、クロノとマールがたどり着いた。もちろん、プチも一緒である。
その前に、クロノは自分の家に立ち寄っていた。ジナ母さんに別れの挨拶をし、そして大事にしていた日本刀を持った。
ルッカから計画を聞いていたジナ母さんは「体だけには気をつけて」と見送ってくれた。


「脱獄、成功したのね」ルッカがクロノたちを迎えた。
マールから、「実はクロノが処刑されそうになっていた」との話を聞き、ルッカとガッシュは驚き、改めて、時の翼シルバードの完成を急いでよかったと胸を撫でおろすのだった。

「じゃあ、出発するわよ」
「・・・ルッカもいいのか?危険な旅になるかもしれないのに・・・」
「当然でしょ。時の翼は私が作ったのよ。私以外、だれがメンテナンスするの?操作方法だって私しか知らないでしょ。教えているヒマないし、ちゃんと旅の用意もしてあるんだからね。ガッシュ先生のことは、うちのお父さんに頼んであるし・・・」と言って、ルッカはガッシュを見て、心の中で願う。
時空を飛び、ガッシュがいたジール王国のことを調べて、ぜひこの時代にまた立ち寄って、ガッシュが心残りにしていることを知らせてあげたい、それまでどうか生きていて欲しい、と。

もちろん、ガッシュがこの時代に飛ばされる前の、ジール王国時代に行って、助けることは出来ないだろう。
タイムゲートは動いていて、自分たちの好きなように、年、日にち、時間を設定して行くことは出来ない。

ガッシュがタイムゲートを通じて、この時代に飛ばされて来てから、10年くらいたっているという。
ということは、その分、ジール王国時代のタイムゲートもそれだけ動いてしまっていると考えられる。
今この時に存在するタイムゲートをくぐっても、そこからつながっているジール王国時代の近くに存在するタイムゲートは、ガッシュがとばされてから後である。同じだけ「時間、年月がたったところ」にしか行けないのだ。
(ちなみに、ガッシュが飛ばされた時のタイムゲートは、この時代の10年前のタイムゲートにつながっている、10年後の今にはつながっていない、ということになる。まあ、タイムトラベルものは突き詰めれば矛盾が生じるのは仕方ない)

「まずは、この時代から、一番近くのタイムゲートのある時代へ行ってみるわ」と、ルッカはシルバードを操作始めた。

ガッシュの家の地下にあるシルバードとその発射台のレールは、斜め上に伸び、地上へつながっていた。
シルバードを稼動させれば、タイムゲートが現れるはず、そして時空を越えられるはずである。

ガッシュは「大丈夫、すべて完璧だったはず。赤い石でシルバードの機体も補強してある」と思いつつ、ジール王国での失敗を思い出していた。
が、あの時は完全な失敗というわけでもないのだ・・・ちゃんとタイムゲートとつながり、自分は時空を越えたのだから。だが、帰る手段を失った。
・・・でも今はもう帰りたいとは思わない。ここがワシの骨を埋めるにふさわしい場所だ。
ただ、自分のほかに、実験に立ち会っていたどの時代に飛ばされたか分からない者たちの安否だけが心配である。が、もう自分の命は尽き掛け、旅にも耐えられないだろう・・・

あとは、クロノたちに託そう。
時の翼が、彼らの逃走に役立つのなら、クロノの命が助かり安心して暮らせる時代にたどりつき、ルッカが喜ぶのなら、それだけで嬉しい。

ルッカたちと視線が合った。
ガッシュが軽く頷いたあと、シルバードは消えた。

「成功したか・・・」
ガッシュは、満足そうに笑みを浮かべながら、その場に崩れ落ちた。
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ハヤシ

Author:ハヤシ
2003年から8年間、ピティナ(全日本ピアノ指導者協会)のサイトで、マンガ「ショパン物語」を連載してました。

商業誌でマンガ連載経験あり。

主な作品 
「音吉君のピアノ物語」(小学館・少年サンデー) 
「ご令嬢金崎麗子」(集英社・スーパージャンプ) 
「スカイプレイ」(秋田書店・ヤングチャンピオン)
ほか読み切り多数。

ちなみに「音吉君のピアノ物語」(全6巻)が欲しい方はこちらへどうぞ↓
小学館コミックス「音吉君のピアノ物語」オンデマンドのページ

書き下ろしピアノ漫画「ピアニスト」(彩図社)は現在、中古本としてアマゾンなどで流通。

このブログでは、ピアノ、ショパンネタ、マンガ・物語創作、作品感想、社会ネタ考察記事を書いてます。
RPG「クロノトリガー」に、はまったので、「クロノ関連ネタ」もあります。

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